●ねじれ国会

 与党の国会議員数が、参議院で過半数を割った状態。予算を除く法案の場合、衆議員で法案が可決しても参議院で可決しなければ法律は成立しません。ただし、参議院で否決後(参議院で60日以内に議決しなかった場合は否決したものとみなす)衆議院で3分の2以上で再可決すれば成立する規定があります。


●ペイオフと雑損控除

 この9月に日本振興銀行が破綻し、一定額の預金を保護する「ペイオフ」が実施されましたが、一定額を超える部分が損失となった場合、残念なことに現行では雑損控除の対象になりません。雑損控除は、地震・風水害などの自然災害や、火災・火薬類の爆発など人為による災害、盗難・横領の場合等に限定されています。


●給与所得控除額

 給与所得は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて計算します。この給与所得控除はサラリーマンの概算必要経費と位置付けられていますが、上限が無いことから高所得者に有利な制度となっているとの指摘があります。政府も見直しを検討しており、来年度税制改正の焦点となりそうです。


●認定NPO法人

 NPO法人(特定非営利活動法人)のうち、一定要件を満たすことにより国税庁長官の認定を受けたもの。個人や法人が認定NPO法人へ寄附した場合、寄附金控除の適用や損金算入が認められます。平成13年度税制改正で創設され、平成22年8月1日現在、認定の有効期間内にあるNPO法人数は173法人です。


●法人税の実効税率

 法人所得に対する税負担割合。法人税30%と地方税の法人事業税9.6%、法人住民税(法人税率×17.3%)の合計ですが、法人事業税は損金算入されるため調整(109.6%で割る)され、実効税率は40.87%。ただし、中小企業は軽減税率の適用があり、また、地方税の税率は地方自治体により異なります。


●納税者権利憲章

 納税者の税務に関する権利・義務をわかりやすい言葉で説明した公文書。現在、OECD加盟国中、英米仏や韓国など24カ国が制定しており、納税者憲章、納税者権利宣言などの呼び方があります。我が国でも政府税制調査会が平成22年度税制改正で、その制定について1年以内を目途に結論を出すとしています。


●租特透明化法の「適用額明細書」

 企業の税負担を軽減させる特別償却や税額控除など、租税特別措置の適用実態を明らかにするため、平成22年度税制改正で、租税特別措置の適用を受ける企業に対して堤出が義務付けられることになった書類。平成23年度4月1日以後に終了する事業年度の法人税の申告から適用されます。


●国際的租税回避スキーム

 スキームとは、一般的には枠組みや仕組み、手法という意味ですが、税率の低い国に日本で課税すべき所得を移転するなど、海外取引を利用した課税逃れ商品等を「国際的租税回避スキーム」と呼んでいます。経済の国際化に伴い増加するスキームに対して、国税当局では、調査・情報収集を強化しています。


●宥恕(ゆうじょ)規定

 法律上の特例の適用条件として、申告書の提出や申告書に一定の書類を添付することが求められている場合等に、申告書等の提出がなかったときでも、その提出がなかったことについてやむをえない事情があると税務署長が認めるときには、その後、申告書等を提出すれば適用を認める規定。


●サラ金並みの?延滞税

 国税の延滞税の税率は、法定納期限の翌日から@2か月を経過する日までは「年7.3%」と「前年の11月30日の日銀が定める基準割引率+4%」のいずれか低い割合、A2か月経過後は年14.6%の2段になっています。利息制限法の上限金利は、貸付額に応じて15〜20%ですのでサラ金並みの金利と言えます。


●事務次官と事務官

 全省庁の事務次官が集まり閣議提出案件を調整していた事務次官会議が昨年9月に廃止されています。官僚のトップである事務次官に対し官僚機構の末端に位置するのが事務官。一文字入るか入らないかだけで天と地ほどの差がありますが、「次」の文字があるので事務次官の方が官職が下と思う人も中にはいるようです。


●雑損控除になる雪下ろし費用

 豪雪地では積もった雪の重みで家がつぶされる恐れもあることから、屋根の雪下ろしは冬の作業として欠かすことができません。この雪下ろしを業者に依頼した場合、雪下ろし費用は、雪による被害の発生を防止するためのやむを得ない支出として、雑損控除の対象となります。


●吟醸酒

 日本酒(清酒)は、正月には欠かせないお酒といえます。清酒の中でも高級酒と言われている吟醸酒は、精米歩合60%以下のものを指します。たとえば精米歩合60%の場合は、玄米の表層部を40%削り取ることをいいます。ちなみに、通常の清酒は75%以下、家庭で食べる白米は92%程度の精米歩合です。


●滞納金の半分は消費税

 国税庁の発表によると、平成20年度の新規発生滞納額は8,988億円で、このうち、消費税の滞納が最も多く、全体の半分近い4,118億円を占めています。20年秋からの経済不況は21年度の滞納額に影響するため、赤字であっても納税が必要となる消費税の滞納額が、21年度は大幅に増えることが予想されます。


●税務調査は日の出、日没で制限

 税務調査にも一定の制限があり、税法では、日没後から日の出前までは調査をすることができないと定めています。このため、季節によって調査に取りかかる時刻も違ってくることになります。ただし、日没前に調査に取り掛かった場合は、日没後まで継続できる規定になっています。


●税務署受付窓口の一本化

 7月から、税務署の受付窓口が一本化されています。これまでは、用件に応じて法人や個人、資産等の担当部門の窓口に行っていましたが、申告書や申請書の提出、用紙や納税証明書の請求、税金の納付等については、新たに「管理運営部門」(同部門がない署は総務課等が担当)を設置し対応しています。


●国民の祝日に挟まれた日は「休日」

 日本の祝日を定めている「国民の祝日に関する法律」によれば、「その前日及び翌日が国民の祝日である日(国民の祝日でない日に限る)は、休日とする」と定めています。暦の関係で本年9月がこれに該当し、21日の敬老の日(9月の第3月曜日)と23日の秋分の日(秋分日)に挟まれた22日が休日になっています。


●FX取引

 外国為替証拠金取引のこと。外国為替(外国通貨)の売買により、為替差益や2つの通貨間の金利差から生じる利益を得るのが投資の目的。小額の証拠金(保証金)を担保にして、多額の取引ができることや、インターネットを利用して手軽にできることから個人投資家に人気がある反面、リスクもあります。


●窓の改修がポイントとなる住宅リフォーム減税

 居住用家屋に対して省エネ改修工事を行った場合には、一定要件のもと所得税の税額控除の適用が受けられますが、全ての居室の窓全部の改修工事が必要となりますので、 たとえば床断熱工事をする場合は、窓の改修工事と併せて行わないと減税が適用されません。


●税金の取扱いが異なる定額給付金と地域振興券

 「定額給付金」は、所得税、個人住民税とともに非課税扱いです。これに対し平成11年に実施された「地域振興券」は、一時所得扱いでした。地域振興券の対象者は、若い世代の親など可処分所得の比較的低い層であるため、50万円の特別控除額により課税されることはほとんどないという理由からでした。


●174万社が赤字法人

 国税庁が好評しているわが国法人企業の実態調査結果によると、平成19年度(19年4月〜20年3月)の法人数259万社のうち67.1%に当たる174万社が赤字法人でした。
 赤字法人割合は、ここ10年近く7割弱で推移していますが、昨年秋以降の急激な経済不況により、20年度は7割超となることも予想されます。

●課税対象となる特殊支配同族会社は5万6千社

 いわゆるオーナー役員(業務主宰役員)が実質的に支配する会社(特殊支配同族会社)の、オーナー役員に対する給与のうち、給与所得控除に相当する部分を損金不算入とする制度の平成19年度分の課税対象企業数は、5万6千社にのぼることが、昨年末に国会に提出された答弁書で明らかになっています。

●全国524署で最も新しい税務署は?

 現在、日本に税務署は524箇所あります。最も新しい税務署は平成7年にできた札幌東署と、江戸川署の分割による江戸川北、江戸川南署で、平成に入って以降この年までは毎年税務署が新設されていましたが、これ以降新設署はありません。なお、昨年7月に沖縄の平良署が宮古島署に名称変更しています。

●自動車関係保有手続のワンストップサービス

 新車の新規登録を行う場合に必要な、自動車の検査・登録、保管場所証明、自動車税の納付等の手続を各役所の窓口に行かずインターネット上で一括してできるシステム。ただし、平成20年11月現在利用できる地域は、東京、神奈川、愛知、大阪、埼玉、静岡、岩手、群馬、茨城、兵庫の10都府県に限定されています。

●不服申立制度の見直し

 現在、国会で審議中の行政不服審査法の見直しに伴い、国税の不服申立制度も見直される予定です。不服申立期間を税務署等の処分があったことを知った日から3月以内(現行2月以内)に延長、再調査請求(現行の「異議申立」)の決定を経ずに審査請求できる期間を2月(現行3月)に短縮、等の内容となっています。

●相続税の課税方式

 相続税の課税方式には、遺産の総額に対して課税する遺産課税方式と個々の相続人が相続した遺産に対して課税する遺産取得課税方式があります。わが国の課税方式は、両方式を折衷したような、法定相続分を考慮した遺産取得課税方式になっていますが、来年度税制改正で見直される予定です。

●原告訴訟

 国が原告となり、訴訟を起こすこと。滞納国税を回収するため、代表的なのが「差押債権取立請求訴訟」で、国が、滞納者の第三債務者に対する債権を差し押さえた場合、その取立権に基づき第三債務者からその債権を取り立てるために起こす民事訴訟です。滞納整理促進策として国税当局は活用しています。

●電子証明書等特別控除

 電子証明書を取得した個人が、平成19年分または20年分の所得税確定申告で電子申告した場合に、最高5千円の税額控除が受けられる制度(いずれかの年分のみに適用)。国税庁のアンケート調査結果によると、電子申告を行った理由の3位に、「電子証明書等特別控除制度ができたから」があげられています。

●メタボ健診の診療費も医療控除の対象に

 本年4月から、40〜74歳を対象に特定健康診査(メタボ健診)が実施されていますが、診査結果に基づき行われる特定保健指導を受ける人のうち、高血圧症、脂質異常症、糖尿病のいずれかの基準に該当する人が、その診療等のため自己負担した診療(治療)費は、医療費控除の対象に追加されています。

●遺留分

 配偶者や子共等に保障された最低限の資産承継の権利。
原則、法定相続分の半分。本年5月に成立した「中小企業における経営の承継の円滑化法」では、事業承継をスムーズに行うため、遺留分権利者の合意と一定の手続きを前提に生前贈与株式を遺留分の対象から除外するなどの民法の特例措置を講じています。

●パブコメ

 パブリック・コメント(意見公募)の略。
行政機関が政省令や通達などを制定する場合、内容案を事前に公表し広く国民から意見を募集すること。
平成17年の行政手続法の改正で手続きが新設されました。
最近の国税関係では、「法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱い」が、パブコメ後に通達化されています。

●戸籍謄本等の請求は本人確認が必要に

 従来、戸籍謄本等の請求は誰でもできましたが、本年5月からは戸籍謄本での本人確認が必要になっています。
他人の戸籍謄本等を不正に取得したり、サラ金から借入れを行う等の目的で第三者によって虚偽の婚姻届や養子縁組届が出される事件が起こっていたことから、これを防止するため戸籍法を改正したものです。

●事業用定期借地権の存続期間の拡張

 契約期間が満了したら更新されない「定期借地権」の一つである事業用定期借地権の存続期間が改正され、本年1月から10年以上50年未満(改正前10年以上20年以下)に拡張されています。建物の税法上の減価償却期間には20年を超えるものが多いことから、これに見合った条件で借地権を設定できるようにしたものです。

●会計年度と暦年、事務年度

 4月から新しい年度に入ります。4月〜3月の1年間は予算収支の期間として会計年度と呼ばれるのに対し、1〜12月は暦年と呼ばれ、所得税の税率などは1月から見直されます。なお、国税の事務運営に関しては、定期異動が7月に行われる関係からか、会計年度とは別に事務年度(7月〜6月)も採用されます。

●確定申告の期間と期日

 所得税の確定申告期間は2月16日〜3月15日と決められていますが、今年は3月15日が土曜日のため17日の月曜日が申告期限。また、暦の関係から、うるう年には申告初日と最終日が同じ曜日になります。ただし、申告初日をずらす規定はないため、税務署窓口は閉まっていても法律上の申告初日は2月16日のままです。

●国民健康保険税の年金天引き

 国民健康保険税は国民健康保険の被保険者である世帯主にかけられる市町村税。
 本年4月から、世帯主を含む国保加入の世帯員全員が65歳〜74歳で、世帯主が年額18万円以上の年金を受給しており、世帯主の介護保険料と国保税の合計額が年金受給額の2分の1を超えない場合は、国保税が年金から天引きされます。

●できなくなった申告書の小包での送付

税務上の申告書や申請書・届出書は、納品書や領収書、住民票の写しなどと同様「信書」に当たります。この信書の送付は、郵便または信書便でしか取り扱えません。郵政民営化に伴う郵便法改正により、昨年10月から小包が郵便物でなくなったことから、小包での税務署への申告書送付はできなくなりました。

国税専門官

 税務のスペシャリストである国家公務員のこと。大学卒業程度の者に対する国家公務員2種試験相当の国税専門官試験を経て採用されます。平成19年度採用試験の合格者数は過去最高の2,288人で、うち女性が4分の1強。採用予定数は1,100人。今年から受験資格上限年齢を27歳未満から29歳未満に引き上げています。

税金の時効

 年金の時効が話題になりましたが、税金にも時効があり、国に対する還付金等の請求権は、請求することができる日から5年間行使しないと時効により消滅します。逆に、国側も法定納期限から5年間行使しないと国税の徴収権は消滅します。ただし、更正・決定や督促等をした場合には、徴収権の時効が中断されます。

●ゴルフ場利用税

 ゴルフ場を利用したときには、地方税(道府県税)である「ゴルフ場利用税」が利用使者に対して課税されます。税率は1人1日につき800円が標準ですが、ゴルフ場の整備状況に応じて都道府県が税率に差を設けることができます(上限1,200円)。18歳未満、70歳以上等一定の場合には非課税となります。

●再チャレンジ支援

 現在はフリーターだけど正社員として働きたい、事業に失敗したが再起したい等、人生の各段階で多様な機会が与えられ何度でも挑戦できるような仕組みを推進する政府の支援策。30〜40歳程度の人にも国家公務員への就職機会が提供され、政務職についても試験を経て全国で50人ほどが来年4月から採用される予定です。

●印紙税の軽減措置の延長

 印紙税は、契約書や領収書などの文書に対して、その記載金額等に応じて課税されます。ただし、不動産の譲渡に関する契約書及び建設工事の請負に関する契約書のうち、一定の要件に該当するものについては、印紙税の軽減措置が設けられており、この措置が平成21年3月31日まで延長されています。

●中小企業の資本金

 中小企業基本法では中小企業を、資本金・従業員規模により、サービス業は5,000万円以下又は100人以下、小売業は5,000万円以下又は50人以下などと定義していますが、税法上の範囲は異なり、特定同族会社の留保金課税の適用除外規定や法人税の軽減税率では、対象となる中小企業を資本金1億円以下としています。

●耐用年数

 平成19年度税制改正では、減価償却制度の根本的な見直しが行われていますが、減価償却費の計算上必要となるのが耐用年数。この耐用年数は建物や器具・備品等の固定資産だけではなく、ソフトウエアや特許権、商標権、営業権などの無形固定資産のほか、牛馬や豚、果樹などの生物にも定められています。

政府系金融機関の統廃合

 行政改革の一環として、現在8つある政府系金融機関の統廃合が行われ、平成20年10月から新体制に移行します。8つのうち公営企業金融公庫 など3つが廃止及び民営化され、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫など5つ(当初、4つ)が1つの政策金融機関として統合されるとともに、業務の見直しが行われます。

●固定資産税の納期

 固定資産税の納期は、4月、7月、12月、2月中において、その市区町村の条例で定められますが、特別の事情がある場合は、これと異なる納期を定めることができると、地方税法で規定されています。このため、固定資産税の第1期分の納期が、5月や6月になる市区町村も出てきます。

●有限会社でもできる社債の発行

 社債の発行は、従来、株式会社以外はできませんでしたが、昨年5月施行の会社法により、既存の有限会社(特例有限会社)や合名、合資会社等でも発行できるようになりました。社債のうち少人数の縁故者や取引先等を対象とする少人数私募債は、通常の社債に比べ無担保で発行できることなどから注目されています。

●推定相続人

 被相続人が死亡すれば、最優先順位者として相続することが予定される法定相続人のこと。配偶者は常に推定相続人となり、血族関係では第1順位が子、第2順位が直系尊属(父母、祖父母、養父母等)、第3順位が兄弟姉妹であるため、最優先順位者である子が推定相続人となります。

●お酒の消費量日本一は?

 1月はお酒を飲む機会が多く、飲みすぎに注意したいところですが、国税庁の平成16年度分都道府県別酒類販売(消費)状況によると、成人1人当たり年間消費数量の上位は、東京が120.4リットルでトップ、2位が高知の109.2リットルで、以下、大阪、新潟、秋田の順。ちなみに全国平均は88.5リットルとなっています。

●源泉徴収税額表の改正

 新しい給与所得の源泉徴収税額表が来年1月から適用されます。いわゆる三位一体改革における国から地方への税源委譲として、所得税と個人住民税の税率変更が行われること及び定率減税の廃止に伴うもので、これで2年続けて源泉徴収税額表が変わることになります。

●基礎控除と免税点

 どちらも一定の範囲までは課税されない課税最低限を決めるものですが、基礎控除の場合は相続税のように基礎控除を超えた部分に課税されるのに対し、免税点の場合は免税点を超えると超えた部分だけでなく全体に課税されます。損金参入される交際費等の5千円基準も免税点と考えれば、わかりやすいかと思います。

●議決権制限株式の発行限度撤廃

 株式会社は、権利内容が同一の「普通株式」のほか、配当が優先するなど権利内容が異なる「種類株式」を発行することができ、議決権制限株式もその一つ。新会社法では、株式譲渡制限会社に限り、これまで発行済株式総数の2分の1までとされていた議決権制限株式の発行限度枠を撤廃しました。

●相続税の物納制度

 相続税を金銭で納められない場合に、土地や株式等で納めることができる制度。ただし、抵当権が設定されている不動産や境界が不明確な土地等、その処分が困難等の理由から物納が認められない財産があります。平成18年度税制改正では、従来、明確でなかった物納不適格財産を明確化する等の見直しがされています。

●郵送等による税務書類の提出日

 郵送等による国税関係書類の提出日は、原則、税務署への到着日ですが、納税申告書については、その発信日付に提出されたものとみなす規定がありました。平成18年度税制改正では、納税申告書に加え、国税庁長官が定める一定の書類についても発信日でよいとされ、本年4月1日以後の提出書類から適用されています。

●たばこ税の引き上げ

 たばこの税率が、7月1日から引上げられます。たばこ税は国税と地方税に分かれていて、紙巻たばこ以外のたばこで1千本につき従前の7,072円から7,924円(国税3,552円+地方税4,372円)になります。
  地方税分はさらに都道府県と市町村に分かれており、地元で買えば、地元の税収に寄与する制度になっています。

●公示制度の廃止

 公示制度は、第三者の監視による牽制的効果を目的として、一定額以上の所得金額又は税額がある場合に、税務署の掲示板に、氏名(社名)、住所、所得金額等を公示する制度。
  本年4月1日から、所得税、相続税、贈与税、法人税及び地価税(現在適用停止中)の申告書に係る公示制度が、廃止されています。

●政官権保の改革

 中小企業のサラリーマンを中心に、約3,600万人が加入する政府管掌健康保険(政管健保)の改革が、平成20年10月に行われる予定です。現在、社会保険庁が運営している政管健保は都道府県単位の運営となり、全国一律となっている保険料率は都道府県ごとに地域の医療費を反映した保険料率となります。

●類似商号規制の廃止

 類似商号規制は、既に他人が登記した商号があった場合、同じ市区町村内では同一の営業を目的として同一の商号を登記できない制度。商法で規定されていますが、今年5月施行予定の「会社法」では、規制の効力が同一市区町村内に限定されていることや営業目的の記載に問題があること等からこの規制を撤廃しています。

●日切れ法案

 一定期間が過ぎると、規定した措置の適用が無くなることを定めた法律のこと。税法の場合、所得税法や法人税法などでは恒久的な規定が定められているのに対し、租税特別措置法では景気対策等の政策税制として2年〜3年間だけ適用する等の規定をしており、3月末で期限切れとなる措置が多くあります。

●地方税の不均一課税

 合併する市町村間の市町村税の税率が異なっている場合に、合併後直ちに同一の税率で課税することがかえって住民の負担にとって不均衡が生じると考えられるときに、合併が行われた年度及びこれに続く5年度に限り不均一の課税をすることができる制度。平成の大合併で、不均一課税を採用する市町村が増えています。

●入湯税

 正月ぐらい温泉にゆったりつかりたいと思っている方も多いでしょう。ところで、鉱泉浴場所在の市町村が、鉱泉浴場の入湯客に対し課税するのが「入湯税」です。税率は、入湯客1人1日について150円。環境衛生施設や観光の振興等の費用に当てられる目的税で、平成15年度で252億円の税収にのぼっています。

●税務大学校

 税務職員のための研修期間。新人研修として、主に高卒者を対象に13ヶ月行う「普通科」と主に大卒者を対象に4ヶ月行う「専門官基礎研修」があります。また、職場で実務経験した後に研修を受ける「本科」、「専科」、さらに本科、専科の中から選抜されて研修を受ける「研究科」があります。

●自動車税のグリーン化

 環境対策のため、自動車税(地方税)を、窒素酸化物などの排出ガスが少なく環境負荷の小さい自動車に対しては最大50%軽減し、逆に環境負荷の大きい自動車に対しては10%重課する制度。平成16年度に自動車税が軽減されたのは178万台で軽減額は221億円、重課は504万台で164億円にのぼっています。

●不服申し立てと訴訟

 追徴課税など税務署の処分に不服があるときに、国税不服審判所に処分の取消しや変更を求め審査請求するのが「不服申し立て」。これに対し裁判所に判断を求めるのが「訴訟」。平成16年度は不服申し立てのうち14.6%で何らかの形で納税者の主張が通り、訴訟のうち11.9%で納税者が勝訴しています。

●マルサ

 国税局査察部の隠語。映画「マルサの女」で一般にも知れ渡りました。通常の税務調査が任意であるのに対して、マルサの調査は捜査令状に基づく強制力を持っていることから強制調査と言われています。国税庁によると、査察により判明した脱税額は、平成16年度で282億円にのぼっています。

経営統合と独占禁止法

 金融機関や医薬品、玩具メーカーの大型合併等の経営統合が続いていますが、独占禁止法では、事業支配力の過度の集中を防止するため、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる合併を規制しています。市場シェアなどを基に、公正取引委員会が、事前に統合計画を審査しています。

中小企業新事業活動促進法

 中小企業の創業や研究開発、経営革新、新事業開拓等を支援する各種措置を盛り込んだ法律。従来からあった中小企業を支援する3つの法律を統合・強化したもので、この4月に成立・施行されています。一定の中小企業に該当すると、税制面からは、留保金に対する課税の停止や設備投資に対する減税等が適用されます。

偽造キャッシュカードと雑損控除

 偽造キャッシュカードによる預金の引出し被害が急増していることから、銀行では、被害にあった預金者が、所得税の確定申告で雑損控除が受けられるよう、申告手続きの際に雑損控除の適用に必要な「被害届出証明書」を、刑法上の被害者である銀行が警察に請求し、預金者に取り次ぐ取扱いにしています。

●国税関係書類のスキャナ保存制度

 民間に対してこれまで紙での保存を義務付けていた書類について、コスト削減要請等を受け一定要件の下、スキャナにより読み取って電子的に保存することを認める制度。国税関係書類では、決算関係書類や帳簿、一部の契約書・領収書を除き、原則的に全ての書類が対象で、この4月から制度がスタートしています。

●KSK(国税総合管理)システム

 国税庁のコンピュータシステム。平成7年に東京国税局の京橋・川崎北税務署に導入後、順次拡大され平成13年に全国税務署への展開が完了しました。中央コンピュータとのやりとりにより、課税事績の検索や税務調査のための資料情報、確定申告書の処理も、このシステムで行われています。

●エンジェル税制

 ベンチャー企業が個人投資家から資金調達を受けやすくするために設けられた投資家に対する税制優遇措置。株式譲渡益があった場合は課税額を圧縮でき、譲渡損があった場合は他の株式譲渡益から3年間繰越控除できます。対象となる企業・投資家ともに要件があります。数度の制度見直しにより利用者が増えています。

●株券不発行制度

 商法では株式会社に株券の発行を義務付けていましたが、昨年6月に公布された改正法により、非上場会社の場合は発行するか否かは任意とされ、昨年10月から施行されています。上場会社の場合は公布日から5年以内の一定日から強制的に株券不発行会社に移行することになります。

●決済用預金

 (1)利子が付かない、(2)引き出しが自由、(3)決済サービスを提供できる、の3条件を満たした預金に限り、この4月のペイオフ全面解禁後に金融機関が破綻しても、預金額全額が預金保険により保護されることから、金融機関が導入している新型の普通預金。従来からある当座預金も決済用預金にあたります。

●会社法の大改正

 来年の通常国会では、有限会社制度を株式会社制度に統合するなど中小企業に影響のある会社法(商法、有限会社法等)の大改正が審議されます。また、この改正では、片仮名文語体で書かれている条文を、平仮名口語体に改め、わかりやすくします。新会社法が成立すると、平成18年4月から施行される予定です。

●酒類販売の緊急調整地域

 平成15年9月の酒類販売業免許規制の完全撤廃に伴い酒類小売業者の経営困難が予想されたことから、供給過剰である等一定の要件を満たした場合に税務署長に指定されると、酒類販売業免許の付与が1年間制限される地域のこと。今年度は1,274の地域が指定されています。

●厚生年金保険料率の引き上げ

 今月から厚生年金保険の保険料率が、従来の13.58%から13.934%(これを労使折半)になります。改正された年金法によると、保険料率は、今後、毎年9月に0.354%ずつ引き上げられ、平成29年以後は18.3%に固定されることになっています。なお、国民年金保険料は、来年4月から引き上げられる予定です。

●納税者番号

 個人の所得を把握するための番号。政府税制調査会は、株式や公社債、預貯金等の金融取引に伴う所得を一体で課税する方向で検討していますが、対象となる金融商品間で損益通算するには所得を正確に把握する必要があることから、損益通算を適用したい人に限定した導入が提案されています。

●酒類総合研究所

 酒類醸造に関する研究や酒造技術者を養成する機関。明治37年に大蔵省醸造試験所として東京都北区に設置されて以来、今年で100年を迎えています。平成7年に現在の広島県東広島市に移転するとともに名称を醸造研究所に変更、平成13年からは独立行政法人酒類総合研究所として新たにスタートしています。

●更生の期間制限の延長

 税務署に提出した確定申告書等に過少申告等の誤りがあったときに、納税額等を訂正される処分を更正と呼びます。税務署が更正できる期間には制限が設けられており、納税者に不正が無い場合の過少申告に関しては、法定申告期限から3年でしたが、今年度の税制改正により、法人については5年に延長されています。

●ストックオプション

 従業員等が、自社の株式を予め定められた安い価額で買い取ることができる権利。 買取価格と時価との差益は、日本企業の場合は一定要件を満たせば売却時まで課税が猶予されます。一方、海外親会社からのストックオプションは権利行使時に課税され、この所得が給与所得か一時所得に当たるか裁判で争われています。

●介護保険料率の引上げ

 政府管掌保険の介護保険料率が、従来の0.89%から1.11%に引き上げられ、3月1日から適用されています。介護保険料は会社員本人と企業が折半負担します。介護保険料率は、介護サービス利用者数を基に算定した総介護費用をベースにして決められ、毎年2月頃に官報で告示されています。

●納税証明書の交付手数料が現金OKに

 税務署や国税局で納税証明書を請求する際に納める交付手数料は、従来は印紙で納めなければなりませんでしたが、現金でも納めることができるようになりました。
 すでに昨年10月から一部の税務署で行なわれていましたが、1月19日から沖縄国税事務所を含む全国の国税局・税務署でも受け付けるようになりました。

●最低資本金制度の見直し

 会社設立には、サラリーマン等既存事業者以外の人が事業を起こす場合の特例を除き、株式会社で1,000万円、有限会社で300万円の最低資本金が義務付けられていますが、雇用創出の必要性などから、最低資本金の引下げや撤廃を含めた見直しの検討が行われており、平成17年春には関係法案が国会に提出される予定です。

●確申期中の日曜日の税務署開庁

 2月の22、29日の日曜日に、一部の税務署が開かれ確定申告の相談等に限り受け付けます。開庁するのは、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、愛知県、大阪府、京都府及び兵庫県内の全税務署と県(道)庁所在地及び政令指定都市にある248税務署です。詳しくは税務署にお問い合せ下さい。

●酒類自動販売機の撤廃

 1月はお酒を飲む機会が多くあります。ところで、未成年者の飲酒を防止するため、購入者の年齢を確認できない従来型の酒類自動販売機の撤廃が進んでいます。全国小売酒販中央会が撤廃を決議した直後の平成8年3月末に18万6千台だった自販機は、昨年4月1日現在その約7割が撤廃され、5万4千台になっています。

●税制調査会

 税制改正を審議する機関。首相の諮問機関として主に中・長期的な視点から税制を審議するのが政府の税制調査会。これに対して単年度の税制改正を中心に審議するのが自民党の税制調査会。毎年12月中旬頃に両税制調査会の税制改正大綱が公表され、これを受けて財務省主税局では税制改正法案の作成作業に入ります。

●自動車重量税還付制度

 自動車重量税では、車検の際に自動車の重量に応じて、自家用乗用車の場合、車検3年のものは0.5トンごと1万8,900円、車検2年のものは0.5トンごと1万2,600円を課税しますが、使用済自動車のリサイクルの実施に伴い、車検の残存期間に応じて自動車重量税を還付する制度が、平成17年1月からスタートします。

●外国との税の情報交換

 日本と外国との間で結んでいる租税条約には、脱税防止等に必要な情報を両国の税務当局間で交換する規定があります。ただし、日本の場合、これまでは相手国からの情報提供依頼があっても、日本国内で相手国の企業と取引のある日本企業に対する調査ができませんでしたが、税制改正によりできるようになりました。

●質問検査権

 税務署員が、所得税や法人税に関する調査について必要があるときは、納税者等に対して質問し、帳簿書類の検査が出来る権利のことで、各税法に規定されています。源泉徴収義務者や金融機関などの反面調査にも質問検査権は及びます。なお、この権限は、犯罪捜査のために認められているものではありません。

●借換保証制度

 中小企業の資金繰り円滑化のため、信用保証協会の保証付借入金を対象に、期間のより長い融資への借り換えや複数の保証付借入金の債務一本化を行い、月々の返済負担を軽減する制度が「借換保証(資金繰り円滑化借換保証)」です。制度がスタートした2月10日から約4か月間に13万8千件が保証を承認されています。

●借換保証制度

 これまで書面による提出しか認められていなかった所得税や法人税等の申告や納税、申請・届出などが、パソコンを利用したインターネットでもできるようになります。まず、来年2月から個人の所得税と消費税を対象に名古屋国税局館内の全税務署でスタートし、法人税も加えた後6月には全国に拡大する予定です。

●たばこ税の引き上げ

 禁煙の広がりのため、愛煙家の方々にとって最近は何かと肩身の狭い状況のようですが、 本年7月からは、たばこ税の引き上げが行われます。引き上げ額は1本につき0.82円 (国税、地方税それぞれ0.41円と同額の引き上げ)です。なお、地方税のうち4分の1が道府県の、4分の3が市町村の税収となります。

●所得税の税額公示制度

 毎年、5月16日〜31日までの間、高額納税者が税務署で公示されます。所得税法の規定に基づき、所得税額が1千万円を越える者については、氏名、住所、所得税額を公示するという制度です。第三者による監視という牽制効果が制度の目的ですが、プライバシーの問題もあり、政府税調では、廃止を含め検討しています。

●みなし取得価額

  上場株式等の取得価額を、平成13年10月1日の終値の80%とみなした価額。新証券税制では、株式譲渡益を計算する場合に、一定要件のもと、みなし取得価額を採用できる特例措置が設けられていますが、国税庁では、計算に必要な平成13年10月1日における株価一覧表を、ホームページ上に掲載しています。

●固定資産課税台帳の縦覧制度見直し

 平成15年度分から、従来の固定資産課税台帳のうち所得者情報等を除いたものが、土地及び家屋価格等縦覧帳簿として同一市町村内に所在する土地、家屋に係る固定資産税納税者の縦覧に、それぞれ供されます。期間は4月1日から4月20日またはその年度の最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の日までの間です。

●売掛債権担保融資保証制度

 信用保証協会の保証をもとに、中小企業が売掛債権を担保として金融機関から融資を受けられる「売掛債権担保融資保証制度」の利用が進み、昨年10月末現在で3,382件、1,391億円の融資が実行されています。融資額は売掛先倒産のリスクもあることから、売掛債権に一定の掛け目をかけた金額となります。

●特定支出控除

 給与所得の金額は、給与収入金額から給与所得控除額を引いて計算しますが、給与所得者に「特定支出」(一定の通勤費・転居費・研修費・資格取得費・帰宅旅費)があり、その特定支出額が給与所得控除額を超えるときは、特定支出控除制度を選択して確定申告できます。
  ただし、平成13年分では4人のみの申告でした。

●審理課・審理官

 この7月の税務職員の定期移動で、国税局に新設されたポスト。課税処分の統一性・透明性を確保することを目的に、東京、大阪の両国税局に審理課を、両局以外の国税局に審理官を設け、法令適用の事前照会や文書回答の事務を行います。納税者からの難しい問い合わせの増加への対応も、設置の背景にはあるようです。

●電話催告システム

 小額滞納者に対する電話による徴収方法。KSK(国税総合管理)システムから送られてくる滞納者情報をもとに、オートダイヤル方式で電話をかけ、パソコン画面に表示された滞納税額等を見ながら催告するとともに、応答内容をパソコンに入力する仕組み。今年から東京、大阪国税局管内の税務署で活用しています。
      
●自動車リサイクル法

 使用済み自動車のリサイクル等のため、新車購入時に販売業者を通じて公的機関にリサイクル料を納めることを義務化する「自動車リサイクル法」が7月に成立し、法律公布後2年半以内の施行が予定されています。この法律では、車検の残存期間に応じて自動車重量税を還付する制度が創設されています。
●自動車リサイクル法

 使用済み自動車のリサイクル等のため、新車購入時に販売業者を通じて公的機関にリサイクル料を納めることを義務化する「自動車リサイクル法」が7月に成立し、法律公布後2年半以内の施行が予定されています。この法律では、車検の残存期間に応じて自動車重量税を還付する制度が創設されています。

●郵便振替口座

 法人でも個人でも利用できる郵便貯金の振替口座。預け入れには利子はつきませんが、国の保証があるうえ1千万円の預入限度額は適用されないことからペイオフ導入で注目を浴びています。
 平成14年5月末の口座残高は2兆6,456億円で前年の倍増。特にこの4月に6,839億円と大幅に増加したことが影響しています。

●路線価図の閲覧

 相続税や贈与税を算出する際に土地の評価額として用いられるのが路線価です。この路線価の載った路線価図は税務署で閲覧できますが、全国の路線価図を閲覧できる税務署は限られています。国税庁のホームページでは、政府のIT化政策の一環として、昨年10月から全国の路線価図が見られるようになっています。

●信用保証協会

 中小企業が銀行などの金融機関から事業資金をスムーズに調達できるよう、銀行等に対して債務保証業務を行う公的機関。全国で52協会あり、220万の中小企業が利用しています。さまざまな信用保証制度を設けており、営業実績などにより最高2億8千万円まで保証しますが、信用保証料が必要です。

●住宅金融公庫の廃止

 マイホーム建築・購入資金の融資等を行う住宅金融公庫は、昨年12月に閣議決定された「特殊法人等整理合理化計画」に基づき、5年以内に廃止されることが決まっています。存続期間中は融資業務を段階的に縮小し、公庫廃止後は新たに設立される独立行政法人に既存ローン等の管理業務が引き継がれます。

●中間法人

 公益も営利も目的としない法人のこと。これまでは同窓会、業界団体、親睦団体、後援会などの中間的な団体が法人格を取得できる一般的な法律がありませんでしたが、昨年6月に中間法人法が成立し、本年4月から施行されたことから、法人格が取得でき不動産の登記や預金等に団体名が使えるようになりました。

●ワンストップサービス

 そこへ行けば、一つの用事だけでなく関連する用事も足りるようなサーービスを提供すること。
行政の窓口の違いにより、それぞれの窓口に足を運ぶ効率の悪さを改善するため、国や地方自治体などでは、ワンストップ化を目指しています。税務署における納税者支援調整官も、苦情処理のワンストップ化を担っています。

●固定資産課税台帳の縦覧期間

 固定資産課税台帳の縦覧期間は、法律で「3月1日から20日以上の期間」と規定されています。
 ただし、この期間は、市区町村が公示により決めることができるため、4月あるいは5月になる地方自治体もあります。また、3年に1度の評価替えの年は、事務作業が増えることから、縦覧期間の開始が遅くなるようです。

●ワーク・シェアリング

 仕事の分かち合い。一人一人の労働者の労働時間を短縮することにより賃金を抑制する代わりに、より多くの雇用を確保しようとする考え方で、ドイツが先進国。日本でも、ワーク・シェアリングは知られていましたが、ここにきて雇用情勢が一段と厳しくなっていることから、注目されています。

●新しい確定申告書

 今年から、従来の様式を大幅に見直しカラフルになった所得税の確定申告書が使用されます。申告書の種類がA,Bの2種類に統合されるとともに、用紙の色で区別していた青色、白色申告書も一体化されます。
 新しい確定申告書は、変形A4からA4へのサイズ変更や、申告書裏面記入をやめるなどの改善が行われています。

●事前照会に対する文書回答

 国税庁では、納税者から個別の取引等に対する税務上の取扱いに関する事前照会があった場合に、その事前照会が一定の要件を満たしていれば文書で回答する制度をこの9月から実施しています。照会文書は、税務署で備えつけの用紙に必要事項を記載すれば受け付けます。文書回答の審査は局課税総括課で行います。

●金庫株

 日本の商法では自己株式の取得を限定し、保有を制限していましたが、6月に成立した商法改正法により、定時総会の決議さえあれば自社で発行した株式の自由な所得ができ、金庫株として所有することが認められることになりました。米国で「金庫に保管される株式」と呼ばれていることから、この名称が付いています。

●株譲渡所得の100万円特別控除

 平成13年10月1日から平成15年3月31日までの間に、1年超所有した上場株式等(長期所有上場株式等)を譲渡し、申告分離課税を選択した場合、長期所有上場株式等の譲渡所得金額から100万円の特別控除を行うことができる制度が、先の通常国会で、租税特別法措置法の改正により設けられています。

●敬老の日が再来年から第3月曜日に

 敬老の日が再来年から9月15日ではなく9月の第3月曜日となります。土曜日を含めた3連休を増やすため本年6月に祝日法が改正されたもので、7月20日の海の日も7月の第3月曜日に移ります。なお、祝日とはしませんが9月15日を「敬老の日」と定め21日までを老人週間とする改正も行われています。

●公正証書

 公証人が作成する公文書のこと。金銭の貸借に関する契約公正証書や建物などの賃貸借に関する契約公正証明等があります。高い証明力があるうえ、債務者が金銭債務の支払いを怠ると裁判所の判決等を待たずに強制執行手続きに移ることができます。昨年3月創設の定期借家契約では、公正証明書等の書面が要件とされています。

●発泡酒

 ビールに比べ価格の安い発泡酒の売上が増加しているようです。原料はビールと同じ麦芽等ですが、酒の分類では雑種にあたります。発泡酒が安いのは、水を除く原料に占める麦芽の使用割合が低いため。麦芽使用割合50%以上ではビールと同じ税金ですが、[1]50%未満、[2]25%未満の2段階で税額が低くなります。

●本人限定受取郵便

 名あて人本人のみに郵便物の受取人を限定できる「本人限定受取郵便」が3月からスタートしています。郵便局では、名あて人に到着通知書を送付、到着通知書と本人を確認できる免許証、パスポートなどの証明書を持参することにより郵便物が受け取れます。通常料金の他に、書留料と本人限定受取郵便料が加算されます。


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